凄く後味悪いかもしれないけど。
結婚した頃、ウトメは結構年を取っていたので同居。
ウトは空気のような人でしたが、トメは気性の荒い人でした。
テンプレトメって感じで、作った食事は捨てられる、コキ使われる毎日。
夫は忙しい人で、そんな事気づきもしませんでした。
結婚2年目、体調を崩したウトはそのままアボーン。
その後からトメの様子は少しずつ変わりました。
トメは、ウトを亡くしてから仏壇の前でボーっとするばかり。
お葬式がすんで、49日がすんで暫くたったら、トメはどんよりとした目で
「くまちゃんはどこ?」
って私に聞いてきました。
「は?」って思いましたよ。
熊のぬいぐるみなんて我が家にはないし、それらしいのもない。
けど、トメは狂ったように泣き出して「くまちゃんくまちゃん」って言う。
慌てて忙しい夫を捕まえ、わけが判らないと事情を話すと夫は「あっ!」と思い出してくれました。
くまちゃんとは、ウトの名前。
ウトの名前、確かに「くま」って付いてました。
トメは戦中生まれで、当時はまだ少し珍しかった恋愛結婚でした。
年上のくまちゃんに憧れ、くまちゃんと結婚したくて頑張り、くまちゃんとやっと結婚できた人生でした。
結婚後は、くまちゃんってあまり呼ばなかったらしいのですが、夫の前では間違えて
「くまちゃん・・・じゃなかった、貴方。」
って呼び直して、バレてしまったようです。
トメは、スッカリ少女のように「くまちゃんまだ?」「くまちゃんいない?」と繰り返します。
慌てて病院へつれていったら、認知症ではないにせよ、老人性の鬱病と同じ症状と言われました。
脳の萎縮はないが、老人性のボケで現実逃避、様子を見ればそのうちよくなると。
それから、トメは少女のように振舞う毎日でした。
私はスッピンの時、トメから「キクちゃん」と呼ばれました。(恐らく幼馴染)
化粧すると、「オカカ」って呼ばれました。(多分、お母さん?)
しかしやっぱり少女とは言え、老人。
リビングで粗相をしてしまったりし、そのたんびにトメはオロオロとし、そのうちウエーンと泣き始めます。
私は、別に嫌でもなくなってたので、トメをあやしながら片付ける毎日でした。
こうなると、トメは私の食事に文句も言わなくなりました。
いつもはけなされた料理も、「美味しい美味しい」って食べました。
「キクちゃんはお料理上手ね良いなあ。良い嫁さんになるよ。」って言われる時もあれば、
「オカカ、お味噌汁今度教えて。」って言われる時も。
トメに「くまちゃんってどういう子?」って聞くと、本当に恥ずかしそうに答えました。
見ると本当に恋愛をしてる、小学生のようなリアクションでした。
そのしぐさに、私はトメが憎らしかったのを忘れてしまいました、本当に。
そのトメは、先週亡くなりました。
最後は寝たきりになってしまいましたが、ベッドの上でくまちゃんの幻と何度も遊んでいました。
勿論その最中に私が入ると、
「キクちゃん恥ずかしいからイヤー」
って布団に潜り込んでしまいまいました。
最期は、寝たまま逝っちゃったけど、くまちゃんが迎えに来たのでしょうか?
所で私はこの少女時代のトメの世話をしてるさなかに、凄く大きいDQN行為をしてしまいました。
トメ、実はボケた初期には正気に戻りかける時があったんです。
凄くあの嫌な顔で「嫁さん!ちょっと嫁さん!」って怒鳴る時がありました。
しかし、私はあえてそれを無視しました。
「嫁さんー嫁さん・・・」って泣き声になっても、無視しました。
暫く時間がたって、「キクちゃん?」って声が聞こえたら返事をする。
若しくは、「オカカ」って言ったら「どうしたの?」って優しく声をかける。
そんな事を、半年以上繰り返したらトメは完全にボケてしまいました。
医者の「こうすれば良くなる」って言う方法も、全部やってなく、逆の事ばかりしてしまっていました。
元に戻ると言う手段を私は潰しちゃったんです。
人の人生を・・・って思って後悔してしまう時もありました。
でも、いびられるより少女の方が介護しやすいと自分をごまかしたことも。
しかし、正気に戻れば介護の必要もそもそもなかったんですよね。
今は、少しだけ反省しながらお骨に手を合わせています。
けど、心の中では手をあわせながら少女のトメに話しかけています。
まずはお疲れ様・・
なんていっていいのか。。複雑だ・・
乙
ようやくトメが真人間になったんだ。それで良かったんだよ。
>>506
大丈夫! あなたは正しいことをした と思うよ。
だって、トメは正気に戻ると現実を直視しなきゃならなかったの。
でも、あなたの行為のおかげで、トメは現実を直視しなかったんだし、
ある意味幸せな介護を受けることが出来たのよ。
あなたも面倒だったけれど、精神的には比較的楽に介護出来たでしょ。
これで良かったのよ!GJ!!!!!
最後に幸せに逝ったんだから、いい事したんだよ
トメがまともになってたら、2人とも生き地獄だったんだし。
今頃はくまちゃんと楽しく過ごし、あなたに感謝してるよ。
トイレから帰ってきたら・・・ありがとうございます。
実は、私は40歳代の小梨で、不妊治療中だったんですが「もう辞めちゃおうか」って言ってる感じです。
お子様がいらっしゃる方には失礼でしょうが、子供がいないからこそ少女トメに愛情がもてたのかもとも思っています。
とは言え、自分病んでるなーって思って私自身も医者にかかった事もあります。
しかし、医者からは「貴方の人生、楽な方選んでいいんだよ?」って言われて、少しだけ気が楽になりました。
夫は、気づいてるのか気づいて無いフリしてるのか判りませんが、
「今月来月は忙しいが、GWは久しぶりに二人っきりで温泉いこうな?すまないね。」
って今朝休日出勤の前に言われて、久々にうれしさで号泣してしまいました。
しかし、罪悪感もあって、ここで吐き出させて頂きました。
不快になった方いらっしゃったら、すみませんでした。
嫁いびりをするような人間なんだね。
ボケて幸せなまま逝けてよかったんじゃない?
嫌味な鬼姑で逝くよりさ。
504さんも憎いままお別れしなくて良かったと思うよ。
ボケた人と一緒に暮らすのは本当に大変、お世話した504さんはすごいよ。
お疲れ様
少女のようなトメとキチガイイビリババァのトメじゃあ
少女のようなトメでいたほうがトメにとっても幸せだったんじゃないかな
トメがトメたるゆえんはやはり長生きしすぎて少女の心を忘れてしまったこともあるだろうし
忘れていた少女の心を思い出してキレイな心のまましねたんだから
向こうでもくまちゃんと少女の頃に戻ってよろしくやってるだろうさー
あ、最後にすみません。
一応、少女トメとは言えボケはボケなのです。
だから、ここに書いてあるような粗相はホンの一部で、もっと壮絶な事もされました。
シモの話もありますので詳しくは割愛いたしますが、1室丸丸においでダメにされて、掃除を何度も繰り返したことも。
なので、誰もいらっしゃらないと思いますが、やはり通常であればこのまま・・・と言う訳ではなく、
正気に徐々に戻す治療の方が、楽と言えば楽なのかもしれません。
(手術や、投薬、リハビリなどで元に戻る場合もあるとの事です)
皆さん、暖かいお言葉ありがとうございます。
ごめんなさい、陳腐な言葉でしか言い表せませんがすくわれた気がします。
トメの写真の隣には、くまちゃんの写真を置いています。
きのせいか、私がそう見たいのか、二人とも和やかなお顔をしています。
これで良かったんだと思う。
>>504
あのね、介護する人が精神的にゆとりを持つことが少しでも出来れば、
それは介護される人 トメの幸せに繋がるのよ。
介護は、介護する人がゆったりした気分に少しでもなれなければ、
介護されるトメは、不幸な日々になるわけ。
壮絶な介護現場で、あなたは愛情を無くさないで介護出来た。
それはとてもすごいことなのよ!
あなたは胸を張れる介護をして、トメを見送ったのよ!!!
>>504
トメさんは、少女のころは性格が良かったんだな
でも、介護と同居は絶対に奇麗事じゃないよね
残酷な真実よりも優しい嘘のほうがいい時もある
楽な方を選んでもいいんだよといったお医者さんは、よく分かってるなと思った
無理にリハビリして現実に引き戻して、嫁イビリの鬼姑のまま
大好きなくまちゃんのいない現世に縛り付け続けるより良かったんじゃないかな……
姑さんにとっては終末期医療に近い状態だったんじゃないかな
書き込みを見る限り、介護に対して旦那の存在が一切感じられないんだけど…。
>夫は忙しい人で、そんな事気づきもしませんでした。
嫁イビリされてることすら気が付かないほど忙しい夫が、
自分で介護できると思う?
その分お給料が良くて、本当だったら完全介護のホームに入れることも出来たんだろうけど
504が『あえて』自分の手で介護したと読んでた。
正気に戻った一瞬で
>凄くあの嫌な顔で「嫁さん!ちょっと嫁さん!」って怒鳴る時がありました。
これをするってのはクソトメだよなぁ…
どれだけ朝から晩まで嫁をいびっていたのかがよくわかるよ。
正気に戻るって事は、嫁をいびりたおすって事なんだよね?
それは正気じゃないと思うんだけど。
少女のようになって、少しでも「あぁすれば良かった」という後悔を残すような
タヒに方をさせてあげたんだから一番良かったんじゃないんだろうか。
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