ホテルのフロント係は見た！ 嫁憎しの姑、宿泊人数を考慮せず「なぜ嫁の方が広い部屋なの！？」

ホテルのフロントに従事していた時の話です。

コロナ禍前の年末の大晦日の繁忙期の時に既にチェックインされたお客様がフロントにいらっしゃいました。

温泉を利用なさるついでに降りていらっしゃったご様子で、上品そうな妙齢の女性のお客様でした。

少々お怒りのご様子でいらっしゃいました。

私が呼び鈴に気がついて出てくと開口一番に

「宿泊代金は私達が払うのに、嫁たちより部屋が狭いのはおかしい。あまりにも嫁たちの部屋が広すぎる」

とおっしゃるのです。

ご婦人のお部屋は2名様のご夫婦様で、お嫁さん達息子家族はお子さんを含めて5名様です。

お連れ様ということも有り、できるだけ近くの部屋を抑えつつ繁忙期のセオリーを守らなければならなかったため、ご婦人の部屋は1人から2人の方がお入りいただくお部屋に、お嫁さんご家族はご人数も多いので4名様から5名様のお部屋にお通ししたまでのことでした。

しかし、御婦人には許せなかったようでフロントまで降りていらっしゃいました。

嫁の部屋が広いと怒られても、一緒に泊まるのはご自身の息子さんと孫たちなのにお嫁さんが絡むと突然頭がバグる人がいらっしゃって大変面白いですね。

このお客様に関しましては、繁忙期であり満室である旨と客室の変更はできない旨を丁寧にお伝えしてご納得いただきましたが、温泉に向かう後ろ姿は納得していないふうに見えました。

その後の様子をこっそり配膳担当や布団敷き担当に聞いてみましたが、いたって普通であったそうで、翌朝のチェックアウトもスムーズに終わり大きな苦情になることは有りませんでした。

しかし、大きな部屋に泊まったお嫁さんの心中を思うと宿泊中はどんなにいたたまれなかったか可哀想でなりません。

フロントでの剣幕から察するにお嫁さんの前でも部屋の広さについて言及しているだろうなと思います。

5人中4人は完全に血の繋がった血縁であり、お嫁さんとて彼女がいなければ孫すら誕生しないのにどこまでいっても嫁という立場は他人なのだなと痛感した出来事でした。

そんなに嫁家族にお金を出したくないなら自分たちだけで旅行すればいいのにと心底思います。

まあ、出てくる料理はお正月料理だけなので選択肢がなく通常より割高なのに、狭い窓の部屋に通されたと思えば腹が立つのはよくわかります。

一番いい解決法はお正月に嫁や孫たちを巻き込んで旅行すべきではないということですね。

息子をいつまでも身内とカウントせず他者との境界をきちっとつけられる姑になりたいです。